お釈迦さまの「四門出遊」
こんにちは。
少し肌寒い日が続くと、身体のあちらこちらが痛むお坊さん見習いの「YURYU」です。
今日はお釈迦さまの「四門出遊」をご説明したいと思います。
お釈迦さまはシャカ族の王子として生まれ、何不自由のない暮らしをしていたのになぜ出家したのでしょうか。
歴史の文献には様々な説がありますが、この「四門出遊」も出家の要因と考える有力なものだと思われます。
お話は古代のインド、お釈迦さまがシャカ国王子「ゴータマ・シッダールタ」として暮らしていた時の事です。
ある時、父の王様からのススメで気分転換の外出をした時のお話です。
王子(この時はまだ「さとり」前なので「王子」としました)がお城の東門から馬車に乗って出かけると、ヨボヨボの老人と遭遇しました。
王子はお供の者に『あれは何者か?』とお尋ねになりました。
『老人でございます。すべての人間は、老いの苦しみを免れるものは、ございません』
王子は考え込んで、もう遊びにいくどころではなく、お城へ帰りました。
数日後また、外出することになりましたが、この前出発した東門ではなく、南門から出かけました。
すると、道端に倒れてる病人と遭遇しました。
王子は、お供の者に『あれは何者か?』とお尋ねになりました。
『病人でございます。すべて人間は、病の苦しみを免れるものは、ございません』
太子は考え込んで、もう外出どころではなく、お城へ帰りました。
それからしばらくして、また外出することになり、前の出来事から東門と南門をさけ、西門から出かけました。
すると、お葬式に遭遇しました。
王子は、お供の者に『あれは何者か?』とお尋ねになりました。
『死人でございます。すべて人間は、死の苦しみを免れるものは、ございません』
太子は考え込んで、もう外出どころではなく、お城へ帰りました。
もうお分かりだと思いますが、この出来事で「老」「病」「死」という三苦を表しているのです。
また生まれなければ、この三苦が生じる事もありませんから、「生」も苦であると考え、「生」「老」「病」「死」避けられない「四苦」であると説かれます。
しかし我々はその理を自覚することなく、または理する事を避けて日々を過ごしているのではないでしょうか。
そしてこの物語は、最後の北門を出たときに出会う「出家修行者に出会い、その生気に満ち、落ち着いた物腰に感動をして、自らも出家をしようと決意する事で結ばれています。
これが「四門出遊」という説話になります。
それぞれの方々が、この「生」「老」「病」「死」という避けられない「四苦」について考えていただき、これからの歩みの参考にして頂ければ幸いです。
皆さまがよき「仏縁」に恵まれますように